花粉症シーズン真っ盛り。止まらないくしゃみや鼻水、目のかゆみなどに悩まされる人は多い。埼玉県の主婦、平田恵美さん(48才・仮名)が話す。
「毎年、市販の花粉症薬を大量買いしてストックします。一瞬でも効き目が切れると、目も開けられなくなってしまうので、絶対に“在庫切れ”しないよう注意しています」
愛知県に住む内田容子さん(74才・仮名)には、こんな長年の朝の習慣がある。
「片頭痛持ちで痛みに弱いので、痛みが出る前にと思って、毎朝、鎮痛薬をのんでいます。のまないと調子が悪いような気がしてやめられません」
こんな人たちに、銀座薬局代表の薬剤師、長澤育弘さんが警告する。
「基本的に、人体にとって薬は“毒”だと思ってください。どんなに弱い薬でも、体にとっては“異物”。病院で処方される強力な薬ほど、体に強く作用します。それを長い間のみ続けることで受ける影響は計り知れません」
松田医院和漢堂院長で、日本初の「薬やめる科」を開く松田史彦さんも同意見だ。
「薬をのみ続けると、本来は体内に存在しない化学物質を延々ととり続けることになる。適量なら効果的な薬が、予想外の害をもたらすことも少なくない。食品添加物に注意する人はいますが、薬の人体への影響はそれよりもずっと強いのです。
どうしても必要な時だけ、上手に使うべきものであって、長期間薬を服用するのは基本的に間違っています」
女性は頭痛や生理痛、便秘などを抱えがちなだけに、日常的に薬に頼る人が多い。さらに、体調を崩して病院にかかれば処方薬も加わる。
基本的には病気や苦痛を取り去ってくれる存在だが、何も考えずにのみ続けると、恐ろしい別の病気を引き起こすこともある。