3月1日に開催された東京マラソンは、大迫傑(28)が日本新記録となる2時間5分29秒で4位フィニッシュし東京五輪代表へ一歩前進した形となった。しかし、今回は新型コロナウィルスの影響で3万8000人の一般ランナーは参加できず、さらには主催団体が観戦自粛を呼びかけたため、沿道の観衆は昨年の69万人から今年は7万2000人に激減。
ネットでは東京マラソンをめぐり、様々な意見が書き込まれていた。そもそも今回のマラソンについては、開始前から開催そのものに疑問が呈されていた面がある。「大規模イベント」の自粛が求められていたにもかかわらず、日本陸連は東京マラソンと8日に開催されるびわ湖毎日マラソンと名古屋ウィメンズマラソンは参加選手の規模が大規模ではないということから実施を決定。参加人数は東京が約200、びわ湖が約300、名古屋が約130となっている。
ところがネット上では「観衆は数えないのかよ」といったツッコミが多数書き込まれた。プロ野球のオープン戦や大相撲3月場所は無観客試合となり、Jリーグやラグビートップリーグなどその他のスポーツイベントは中止や延期となる中、マラソンは開催されたことへの疑問の声も多数書き込まれたのだ。
これの伏線となったのが、2月16日の熊本城マラソンだ。雨の中、オレンジのポンチョとマスクをつけて密集して走る大勢のランナーの写真が朝日新聞に報じられ、これが多くの人を呆れさせたのだ。
5ちゃんねるには「【ワロタ】熊本のマラソン、マスク姿のランナーだらけで異様な光景だと話題に」というスレッドも登場し、「海外のニュースではめちゃくちゃ馬鹿にされてるなwクレイジーだってw」「大会中止かマスク禁止かどっちかにしろ 」「マラソン好きなのはわかるけれど予防マスクしてカッパ着てまで走りたいってちょっと頭がおかしいんじゃないかなって思う」など批判的なんコメントが多数書き込まれた。
その後「コロナウィルスなのにマラソンなんて! 中国のSNSで『心配の声』」(withnews)という記事も出るなど、この写真は多くの人に衝撃を与えた。だが、熊本城マラソンについてはマスクをしていたのはスタート直後だけで、後半は外していたといった証言もあり、あまりにも衝撃的な写真が一人歩きした、という冷静な指摘も出た。
とはいっても、実際に熊本城マラソンの観戦者の中から感染者が出る事態にもなった。20代の病院勤務女性が感染したが、彼女はマラソンに出場する同僚6人を車で送り、その後別の同僚5人と食事をするなどしていたのだという。
◆「感染者が出ないことを願うばかりです」
だからこそ東京マラソン開催については逆風が吹いていた。今回同マラソンに協賛した会社に勤める男性は開始前には「マラソンを実施するだけでも非常識だと思われる状況になっただけに、今回我々の会社も非難の的になるのではないかと心配しています」と語っていた。