デマに惑わされず、自分と家族を守るためには、新型コロナについて正確な情報を知っておくことが不可欠だ。新型コロナの検査を指揮する名古屋市衛生研究所の微生物部部長・柴田伸一郎氏は猛威を振るう新型コロナウイルスと最前線で戦っている。勤務先の衛生研究所には、新型コロナの疑いがある人々の検体が日々送られてきており、微生物部部長である柴田氏の指揮の下、検査が行なわれている。柴田氏は、新型コロナの感染拡大が夏以降まで続く可能性についてメディアでいち早く指摘していた人物でもある。以下、誰もが気になる外出先での疑問について、解説してもらった。
Q【マスクは効果ないの?】
ウイルスはマスクの網目を通過してしまうのであまり意味がないという意見もありますが、飛沫は水分が多いのでそこに含まれるウイルスも一緒にマスクの網目で止まると思いますし、同じく自分が咳やくしゃみをした場合もウイルスの飛散を防げますので、一定の効果はあると考えています。また、ウイルスがついているかもしれない手で無意識に口や鼻を触ることも、マスク着用で防ぐことができる。
ただ、マスクで口だけを覆って鼻を出す間違った着用法をしている人もいます。鼻や口を覆っても、目の粘膜から飛沫が入る可能性もある。そのため、WHO(世界保健機関)は「マスクは万能ではない」という言い方をしているわけです。
Q【マスクの取り替えタイミングは?】
取り外しの際に内側を汚染しないように気をつければ、一日中同じマスクをしていても、マスクとしての機能は変わらないので問題ありません。ただし、2日連続で同じマスクをするのは衛生上の問題があります。
Q【マスクの中で咳をしたらそのまま捨てるべき?】
マスクの内側に付着するのは、自分の体内から出てきたものなのでそれほど心配する必要はありません。