ネットでは多くの新型コロナウイルスに関する不確実な情報が拡散されている。その内容から、予防法などの「対策デマ」、不安を煽る「危険デマ」と「外国デマ」、逆に現実より危険性や被害を小さく見せようとする「安全デマ」などに分類できる。
発信者が明らかなケースが少なくない。新型ウイルスの予防法については、〈アオサが新型コロナウイルスに効果〉という情報が国民の混乱を招いた。ネットで広がると、スーパーでは海藻のアオサの売り切れが続出、メルカリ(フリマアプリ)などで高値転売される現象が起きた。
発信源は中部大学。2月20日にホームページで発表した『海藻の「アオサ」にヒトコロナウイルス増殖抑制効果を確認──新型コロナウイルスでの効果にも期待──』という研究成果のリリースだ。
ところが、実際の研究内容は、A型インフルエンザウイルスを用いたマウス実験だったことから、専門家から疑問があがり、現在、同大学はリリースを削除している。A型インフルのマウス実験を行なっただけで、「新型コロナウイルスでの効果にも期待」とアナウンスするのはさすがに“牽強付会”と批判されても仕方がないだろう。
危険デマも大量に飛び交っている。
〈約4600人の中国人観光客が博多に入港〉。中国からの団体旅行禁止後に大型クルーズ船の写真付きで出回ったツイートは短時間で拡散したが、旅行禁止前の画像が使われたガセネタだった。
〈関西空港へ入国した中国人観光客から咳と熱を検知し、病院へ搬送したものの検査前に逃げた〉。これは中国のSNSの根拠のない情報が“元ネタ”とされる。