コロナウイルスが猛威を振るう中、国公立大前期試験は大きな混乱もなく終わった。今年の入試も大詰めだ。
今年の入試では大きな異変が起きた。国公立大、私立大とも志願者減となったのだ。国公立大志願者は昨年に比べて6.4%減で、難関の旧7帝大(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)すべてが志願者減だった。
私立大も現段階で6%減で、14年ぶりの減少になりそうだ。早慶上理(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)とMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)すべてが志願者減。これはこの40年間で一度もなかったことだ。増えたのは難易度50未満の大学だ。
これほどまで安全志向になったのは、来年から始まるセンター試験に代わる大学入学共通テスト実施への不安からだ。新テストの目玉ともいうべき民間英語試験の成績利用が延期、記述式問題の出題も見送られた。しかし、昨年の暮れの発表では遅すぎ、今さら志望校変更ができなかった。浪人を避けて現役での進学を望む受験生は、最後まで安全志向の志望校選びのままだった。
その中でMARCHは、志願者合計で3万8525人、8.6%の減少となった。平均を上回る減少率で、敬遠する受験生が多かった。合格者数は113人増えたが、0.15%増にとどまり、数字上は入りやすい入試だった。強気にMARCHに挑めば、合格を勝ち取れる可能性も高かったと見られる。
ところが、MARCH合計の合格者出身校別人数を見ると、大きな変化があった。安全志向の影響で上位高からの合格者が増えたのだ。