デマに惑わされず、自分と家族を守るためには、新型コロナについて正確な情報を知っておくことが不可欠だ。名古屋市衛生研究所の微生物部部長・柴田伸一郎氏は猛威を振るう新型コロナウイルスと最前線で戦っている。間近で新型コロナと接している柴田氏だからこそ、「正しい予防法」を正確に把握している。感染したらどうなるかについて、解説してもらった。
Q【感染すると、どんな症状が出るの?】
まず、疲労感や倦怠感が強くなり、悪化すると発熱から肺炎にいたります。症状が風邪と似ていて、これという明確な特徴がないことが最大の特徴です。検査を受けても、ウイルスの排泄量やタイミングなどによって、本当は陽性なのに陰性と診断される「偽陰性」のケースもあります。
そのため風邪の症状が出たら、回復するまで自宅で静養することが最も大切です。それでも悪化するようであれば、帰国者・接触者相談センターなどで相談してください。
Q【治った人は何をした?】
本来、多くの人が軽症で回復されます。重症化した場合は、特効薬があるわけではないので、現われた症状を和らげる対症療法を行ないます。例えば、ぜんそくの症状が出たら、ぜんそく治療薬を服用するといった具合です。
コロナウイルスはインフルエンザウイルス、HIVウイルスと似た遺伝子構造なので、これらのウイルスに有効とされている抗インフルエンザ薬「アビガン」や抗HIV薬「カトレラ」を2月から治験的に使用し、確認中です。