都内に建つ築50年のヴィンテージマンション。ファミリータイプの部屋が多く、いまをときめく女優がひとりで暮らしているとは誰も想像しないだろう。昨年11月、綾瀬はるか(34才)は、長年住んだ住居を引き払い、ここに引っ越した。
「環境を変えたかったのでしょう。昨年6月、あの子は大好きだったお父さんを肺がんで亡くしたんです。前の家では、お父さんの長くつらい闘病期間を思い出してしまう、というのもあったのかもしれません」(綾瀬の親戚)
日本を代表するトップ女優ながら、純朴な一面も感じさせるのが綾瀬の魅力でもある。故郷・広島に住む両親と2才上の兄を慕い、これまで「自分のエネルギーの源は家族」と公言してきた。なかでも父親については、「煮詰まったときには『気楽に頑張りなさい』と言ってくれる」と明かし、父の日には「いつも支えてくれてありがとう」とメールを送っていたという。
「綾瀬さんのお父さんは広島の実家で農業を営んでいて、地元の消防団に入るほど元気なかたでした。普段は寡黙だけど、お酒を飲んだらよくしゃべっていたね。釣りが好きで、還暦を迎えた際に、綾瀬さんから赤い釣り用のベストをプレゼントされてとても喜んでいました」(近隣住民)
2009年の雑誌のインタビューで綾瀬は、「最近、両親を見てると泣けてくる」としてこんな話をした。
《この間実家に帰ったときも、父親に白髪を発見して『あっ、お父さんに白髪が!』と思ったら突然涙がジワ~。慌てて『ごめん、ちょっと2階行ってくる(涙)!』みたいな(笑)。離れて暮らしてるせいかもしれないけど、ちょっとしたことでも、ぐっとくるようになっちゃいました。両親を見ていると『ああ、幸せってこういうことなんだな』って思うんです》
東京でひとり頑張る娘を応援するため、採れたての野菜や果物を送る心優しい父親のがんがわかったのは約2年前。綾瀬が出演したNHK大河ドラマ『いだてん』の撮影が始まる直前だった。
「お父さんのがんがわかって、綾瀬さんはものすごくショックを受けました。それでも彼女はごく一部の人にしかお父さんの病気を伝えず、プロ意識を持って仕事を続けました。天然で知られる彼女ですが、実は芯の強い女性です。忙しい仕事の合間を縫っては広島に帰り、お父さんと向き合っていました」(芸能関係者)
がん発覚からおよそ半年後、看病の舞台は東京に移った。