新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、安倍晋三首相の要請によって、多くの文化的イベントの開催が中止となり、スポーツは無観客で実施されている。さらに、全国の小中高校は臨時休校となった。
しかし、安倍首相には不用意な行動が目立つ。国民に不要不急の外出を控えることを求めながら、一方で自らは「会合」という外出を繰り返す。
朝日新聞の首相動静によると、最初の感染者が出た1月15日以降、安倍首相は3月8日までに計35回もの会食や懇親会をこなした。
「国民に不要不急の外出を控えるよう求めた2月16日以降の約3週間で安倍首相は8回、会食に出かけました。安倍首相がひいきにする超高級ホテル・グランドハイアット東京内にある中国料理店『CHINAROOM』や、東京・六本木の京料理、鉄板焼き『花郷』といった高級店が並びます」(全国紙政治部記者)
野党から「民間企業は飲み会を自粛している。首相の危機管理のなさが国民を不安にしている」と批判の声が上がるが、安倍首相は「いわゆる宴会をやっているわけではなく、さまざまなかたと意見交換を行っている」と反論し、どこ吹く風だ。
一方で、国のコロナ対策の司令塔の役割を担う新型コロナウイルス感染症対策本部への出席時間は驚くほど短い。
「安倍首相が対策本部に出席するのは10~20分ほどで、全国の小中高校に休校を要請した2月27日の出席時間はわずか10分でした。国民に外出を控えろと言いつつ、自らは情報交換を名目にグルメ三昧で、対策本部にはわずかな時間しか顔を見せません」(前出・全国紙政治部記者)
2月29日、コロナ危機に関する初の記者会見を開いた。
「36分ほどの会見後、“まだ質問があります”と挙手する記者がいたのに首相は会見を打ち切りました。しかも会見で出た質問は、事前に記者クラブから官邸に通告済みという完全な“出来レース”。今回の危機について国民にしっかり説明しようという姿勢は見られませんでした」(前出・全国紙政治部記者)
トップ同様、閣僚や側近も危機意識に欠ける。
小泉進次郎環境相(38才)は2月16日の対策本部を欠席して地元で滝川クリステル夫人(42才)をお披露目する新年会に出席。そのことについて、野党から謝罪を求められると「謝罪をということだが、私が横須賀に戻った事実は謝罪しても変わらない」と反省の色はなかった。
さらに、安倍首相が小中高校の休校要請をした2月29日には、茂木敏充外務大臣(64才)が神奈川県内で友人とゴルフに興じている。
「いずれも国内で感染が拡大し、死者も出ていた時期にあたります。閣僚や側近が先頭に立ってコロナ対策を進める必要があるのに、ゆるみ切った対応ばかりが目立ちました。“出席時間はわずかだった”“その時間帯は人が少なかった”などと言い訳をしていますが、危機の迫った時期にそんな行動をしたら、国民がどう受け取るかという想像力が決定的に欠けています」(前出・全国紙政治部記者)
百歩譲って、しっかり仕事をしてくれれば、ゴルフや会食をしてもいい。だが肝心の医療体制は乏しいままで、国民の不安は増すばかりだ。
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号