4月からプログラミングが義務教育で必修になることもあり、教育ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)環境の整備が進められている。2023年度までに小中学校の全学年で一人に一台コンピューターが割り当てられる予定だ。経営コンサルタントの大前研一氏は、その構想自体が古くさく、意味がないと断じている。より現実的な教育現場のICT環境について、大前氏が解説する。
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全国の小中学生1000万人にパソコンを1人1台使えるようにする「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」が進んでいる。
文部科学省のHPによると、構想の目的は「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現」で、今年度中にすべての小・中・高校・特別支援学校などで高速大容量の校内LAN(ローカルエリアネットワーク)を整備し、2023年度までに小中学校の全学年で「児童生徒1人1台コンピューター」を実現する。政府は総事業費約4000億円のうち、手始めとして2019年度補正予算に2318億円を計上した。
児童生徒にパソコン1人1台という構想自体には100%賛成である。しかし、そのやり方は甚だ疑問だ。
週刊ポスト(2月7日号)は、すでに全小中学校で1人1台を実現した渋谷区の調達コストはリース料総額が1台あたり27万8000円で、東京都の都立高校の場合も同25万円に達していると報じた。渋谷区の担当者は、端末代だけでなく保守費用や無線LANの設置費用なども含まれると説明しているが、この金額が事実なら、あまりにも高すぎる。