動く歩道やモノレール、10分200円で乗れる電気自動車などの移動手段も物珍しく、パビリオンが見せる近未来像とともに会場は新しいものに溢れた。そして77か国が参加する万博は“世界の祭り”でもあった。リオのカーニバルなどの催しや、各パビリオンのレストランで供される異国の料理も人々を魅了した。
閉幕直前の9月5日には最多の83万5832人を動員。総入場者数は6421万を超え、当時の万博史上最多を記録した。
877億円という莫大な予算を掛けて赤字を危惧されたが、最終的には192億円もの黒字を生み出した。後世に語り継がれる大成功を収め、「太陽の塔」の岡本太郎、「カプセル建築」の黒川紀章、服飾デザイナーのコシノジュンコなどの芸術家は国際的にもその名を轟かせた。
世界中の英知が集結した大阪万博は、日本人に多大な影響と最高の思い出を残したのだ。
※週刊ポスト2020年3月27日号