国内

ヤクザとコロナ 儲け機会を逸しクルーズ船清掃志願も頓挫

新型コロナはさまざまな世界に影響(写真/アフロ)

“究極の自由業”であるヤクザはカネの匂いに人一倍敏感だ。新型コロナウイルスの感染が拡大し、「カネで安全が買えるなら安いもの」と考える人が増える状況は、暴排条例によるシノギの減少に苦しむ暴力団にとって、絶好のビジネスチャンスのはずだ。彼らはどう動いたのか。それを追うことで、“ヤクザの現在地”が見えてくる。フリーライター・鈴木智彦氏が“ヤクザとコロナ”についてレポートする。

 * * *
 暴力団にとって中国発の新型コロナウイルス騒動は対岸の火事だった。昨年12月に新型ウイルスの存在が確認されると目端の利く末端組員はすぐにマスクを買い占めたが、商品を中国に送って換金するパイプがなかった。

 世界中に感染が拡大した今回の騒動を通じて明らかになったことのひとつは、日本のヤクザが“国際ビジネス”に疎いという実情だった。

 もちろん、沖縄の暴力団の一部をはじめ、香港やマカオの中国系マフィア組織と交流を持っているキーマンは各組織にいる。が、揉め事の仲裁ぐらいで、民間レベルで中国との貿易がライフラインの一部になっている現状と比較すれば、裏社会の連携はほとんど進んでない。日本の“YAKUZA”は世界的なネームバリューを持ちながら海外進出に消極的でガラパゴス化している。

「日本人のコミュニティで、日本人を恫喝するならともかく、ヤクザの名前は海外でほぼ通用しない。語学に堪能な人間は、もはや暴力団のような旧態依然の組織に魅力を感じない。半グレのように曖昧な形で自立し、必要がある時だけ暴力団の看板を使う」(中国人によるエステ店を営業する元暴力団の経営者)

◆姐さんからの対策です

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン