細菌性や誤嚥性など様々なタイプの肺炎と、新型コロナウイルスによる肺炎の間には、共通項が少なくないが、違いもある。特徴的なのが「潜伏期間」だという。神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科部長の小倉高志医師が解説する。
「初期症状が風邪と似ているのは通常の肺炎と同じですが、普通の肺炎が発病して数日後に症状が出るのに対して、新型コロナ肺炎は潜伏期間が長く、発病から8~14日で重症化するとされます。
もともと高齢者の肺炎は微熱とともに倦怠感や食欲不振が生じ、いつの間にか体温が上昇することが多い。咳や呼吸回数の増加など、普段との様子の違いに気づいたら、早めにかかりつけ医を受診すべきです」
こうした新型コロナウイルスによるリスクに立ち向かうために、有効な薬はないのか。残念ながら、ウイルスの特効薬はまだ存在しないが、効果が期待されている既存薬はある。銀座薬局代表薬剤師の長澤育弘氏が解説する。
「とくにウイルスに対抗するために開発された抗インフルエンザ薬や抗HIV薬などの既存薬は、新型コロナウイルスに効く可能性があります。いまは世界各地でそれらの薬の効果が試されています」
とりわけ注目されるのが抗インフルエンザ薬「アビガン」だ。