WHOがパンデミックを宣言するなど、世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。日本でも連日、コロナウイルス関連のニュースばかりで不安が募る。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、感染拡大への備えについて解説する。
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新型コロナウイルスが世界中に広がっている。国内では大きなイベントが取りやめとなり、小中高校では突然、休校を要請されて大混乱が起きている。事態は刻々と変化しているが、わかっていることを整理し、感染拡大に備えたいと思う。
どう対処すればよいのだろうか。5つのポイントを挙げたい。
【1】致死率は高くない
致死率というキーワードで考えてみると、この新型コロナウイルスの姿が少し見えてくる。このウイルスの致死率は3.8%。一時、医療崩壊した湖北省を除けば、0.2~0.7%というデータも出ている。季節性のインフルエンザの致死率は0.1%なので、それよりは高いが、コロナウイルスの仲間であるSARS(重症急性呼吸器症候群)9%、MERS(中東呼吸器症候群)35%に比べると格段に低い。
仮に感染しても8割以上は軽症ですみ、自然に治っていく。通常のかぜは、発熱やせきなどが3日程度で治まることが多いが、新型コロナウイルスは1週間ほど続くことが多い。