「簡単に言うと、やりたいのか、やりたくないのか。(中略)なかなか皆さんの意見を聞けないですから」
巨人・原辰徳監督(61)が掲げたフリップには「全監督にDH制を聞きたい」の文字──。
3月8日に放送されたNHK『サンデースポーツ』の「セ・リーグ監督座談会」でのワンシーン。6球団の監督が一堂に会して、シーズンへの抱負を語り合う開幕直前の恒例企画だが、この場面が球界で物議を醸している。
昨年の日本シリーズに敗れた後、原監督が唱えた「セのDH制導入論」。球界関係者に多くの反響を呼んだが、昨年11月のセの理事会では議題にも上がらず、宙に浮いた状態が続いている。
放送では中日の与田剛監督(54)が「打撃に特化した選手が育つ可能性」に言及し、ヤクルト・高津臣吾監督(51)は言葉を選びながら「投手交代の駆け引きが失われる」と反対意見を述べた。しかし、他の3監督の意見はオンエアされなかった。
もともと阪神・矢野燿大監督(51)は、「監督としてはDHが楽やけどなぁ」「俺らは大変な分、(DHなしは)おもしろさもあるんちゃうかな」(2019年10月27日付、サンケイスポーツ)と反対の発言をしており、広島の佐々岡真司監督(52)も「今のところ(具体的な賛否の)考えはない」(同31日付、スポーツ報知)といった言葉が報じられていたが、意見を述べる様子は一切流れなかったのだ。