NHK Eテレ『きょうの料理』に50年以上出演している、現役最高齢の日本料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さん(95才)が、「これだけは遺しておいきたい」という日本料理のテクニックを紹介する。
◆栄養あるものをおいしく食べることが“食事”なのです
年寄りの大敵、肺炎を引き起こす恐ろしいウイルスが日本にも上陸して、大変なことになっています。最近はばぁばも人混みを避け、自宅でおとなしくしております。マスクの着用や手洗いが肝心とのこと。これは普段からの常識ですが、お台所に立たれたら、まず手をよく洗うことを心がけてくださいね。
お料理は口に入るものが生まれるところ。あなたご自身、そしてご家族の命を作り、育て守る家庭の拠点です。熱湯消毒した布巾も用意し、つねに清潔な環境で包丁を持たなくてはいけません。
それにしても、未知のウイルスへの対応はなかなか進まず、世間の混乱が続いています。特に高齢の親御さんや小さなお子さんを抱えるかたは、さぞかし不安であろうとお察しいたします。学校が休校となったり、テレワークが推奨されたり、大変なことでしょう。
どうやって身を守ればよいのか。ばぁばはいまこそ、「栄養のあるものをしっかり食べること」が重要だと思うのです。栄養のあるものを「おいしい!」と食べることが心身の免疫力をグンと上げる! と信じ、ばぁばも日々、食いしん坊に励んでおります(笑い)。
今回ご紹介する「ばぁばのみそカツ丼」もそんな元気印のお料理です。豚ロース肉には良質なたんぱく質をはじめ、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれ、体を元気にして免疫力を高めてくれます。これをサクサクのとんカツにし、こっくりと甘いみそだれをたっぷりかければ、小さなお子さんも食べやすいスタミナ満点のごちそうになります。小松菜やほうれん草など、やはりビタミン豊富な青野菜を添えて、あつあつを召し上がってください。
みそだれはふろふき大根やふかしいもなどに添えておやつにしてもよいの。ちょっと多めに作って、根菜と楽しんではいかが?