新型コロナの拡大で病院の待合室での感染リスクの高まりや往診ができなくなるといった問題が顕在化している。そこで注目されるのが「オンライン(遠隔)診療」だ。
厚労省は「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(2月25日付)で慢性疾患を持つ患者が「オンライン診療」「電話診療」でかかりつけ医師の診察を受けたあと、医師が患者の希望する薬局などに処方箋をFAX等で送信し、薬局は患者と相談の上、家族に薬を取りに来てもらったり、郵便などで送ったりする──こうした手続きによる診察や調薬に保険が適用される特例措置を設けることになった。
その一方で、病院に行かずに薬をもらう方法はもうひとつある。「零売薬局」の利用だ。
病院で使われる医療用医薬品は約1万5000種類とされるが、実は、このうち半数の約7300種類は処方箋なしでの販売が認められている。その医療用医薬品を専門に扱ってバラ売りしているのが零売薬局だ。その一社、銀座薬局代表の薬剤師・長澤育弘氏が語る。
「全国的にはまだ店舗は多くありませんが、都内に数店舗ある零売薬局では一般のドラッグストアには置いていない効き目の強い医療用医薬品を購入できます。慢性疾患の薬は原則として処方箋がないと買えませんが、強力な解熱剤や痰を切る薬、咳止めや抗アレルギー剤などは置いています」
零売薬局の医薬品を購入する場合、当然、保険は適用されないため全額自己負担になる。