中国東北部・遼寧省瀋陽市のおかゆ専門店が3月22日から23日にかけ、米国や日本での新型コロナウイルスの感染拡大を祝う横断幕を掲げたことが、中国内でも大きな批判を受けた。このような政治的な問題を題材にした横断幕は通常、地元政府の許可がなければ掲出できないことが多いことから、瀋陽市の中国共産党支部の宣伝担当部署が製造したのではないかとの見方が浮上している。北京紙『新京報』が報じた。
このおかゆ専門店は北京に本部を置く広東料理のチェーン店「楊ママお粥専家」の瀋陽市太原通り店。
この店の入り口に張られた赤い横断幕には「米国の感染状況を熱烈に祝賀する。日本での感染が順調に長続きしますように(熱烈祝賀美国疫情。祝小日本疫帆風順長長久久」と書かれていた。日本に対しては「小日本」という蔑称が使われており、悪意が感じられる。
この写真は23日、中国版短文投稿SNS「微博(ウェイボー)」に投稿されると大きな反響を呼び、批判が殺到し炎上。地元警察が店主を取り調べる事態にも発展した。このため、同日午後の時点で横断幕は撤去されたという。
この騒ぎでこの店長は辞職し、店側はお詫びの文章をホームページに掲載している。
微博には「疫病は怖くはない。本当に恐れるべきなのは、精神的に問題のある人間だ」「中国の恥だ」「これで客が増えると思っているのだろうか」などの批判が投稿された。