苦労を乗り越え、“薬になる言葉”を見つけたTomyさんが、悩める現代人に対峙していて気づくのは、人間関係に苦しむ人が多いということ。
現実世界にも、SNSの世界にも、人を攻撃して優越感に浸ったり、ストレス解消をしている人は多い。しかし、そういう人たちに惑わされることはないという。Tomyさんは、ツイッターにこういう言葉を残している。
《他人からひどいことをされたのなら、「この程度の人なんだ」と、怒りも涙も冷たくなるほど冷めた目で見なさい。》
他人を攻撃する人は、価値観を1つしか認められないことが多いのだという。さまざまな価値観を認められれば、周囲も自分も穏やかな気持ちになれるはず。それができない狭量な人間を相手にして思い悩む必要などないのだ。
◆自分を認めてあげれば心が満たされるわ
“自己承認欲求”を満たせずに悩む人も増えているという。
「これはたとえ話だけれど、旅行を心から楽しんでいる人って、わざわざその状況をSNSにアップしないと思うの。だって、そんな時間があったら“いま”の幸せに集中しているんじゃないかしら。他人に自分の幸せを認めさせようとするからつらくなる。自分で自分を認めてあげればいいんじゃないかしら」
他者が自分を正しく評価するとは限らない。ほかでもない自分が自分を認められれば、満たされるはずなのだという。
「アテクシはね、患者さんに究極の質問をするとき、こう聞くの。“ご飯は食べられている? 夜はしっかり寝られている?”ってね。この2つがちゃんとできていれば、どんな問題もなんとかなるのよ」
そう穏やかにほほ笑むTomyさん。限りある人生、悩みや不安に捉われるくらいなら、解決できないその状況すら楽しめばいいという。不安なことが多い“いま”こそ、Tomyさんの言葉に触れてみてはいかがだろうか。自分なりの答えが見つかるかもしれない。
【プロフィール】
精神科医・Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科病院を経て、クリニックの常勤医に。舌鋒鋭いオネエキャラとSNSでの発言で人気となり、テレビなどにも出演。ツイッターのアカウント名は『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』。一人称は“アテクシ”。
※女性セブン2020年4月9日号