外出自粛ムードのなか、需要が増えているネット通販だが、国内大手「楽天」の通販サイト「楽天市場」は、送料無料化問題(※注)で揺れている。
反発した約200の出店者が「楽天ユニオン」を設立し、公正取引委員会が楽天の調査を続けるなど、動向が注目されている。そんな中、楽天内では、ある疑惑が浮上していた。楽天の関係者が語る。
「楽天には出店店舗などがIDとパスワードを使ってアクセスできる管理システムがあり、その店舗で購入したユーザーの個人情報を参照することが可能です。その管理システムに、不自然なログインの形跡がでてきたため内々に検証を進めると、不特定のIPアドレス(回線利用者の識別ができる番号)からのアクセスが確認されたのです」
◆2回ログインの形跡
閲覧が制限された管理システムに、何者かが入っている──。
楽天のような大手ネット通販サイトなどに集まる個人データの取り扱いについて、3月10日に閣議決定された個人情報保護法の改正案では、規制を強化する流れになっている。
そんななかで不正なアクセスがあったとなれば、企業としての信用問題にもかかわる。さらに、楽天の関係者を驚かせたのは、その“侵入経路”だ。
【※注/昨年8月に楽天が「楽天市場」の一定額以上の購入者に送料を一律無料にする制度変更を発表した。しかし、負担増を懸念する出店者たちの反発があり、公取委が出店者側に一方的な負担を強いる可能性があるとして独占禁止法違反容疑で立ち入り検査をするなど、調査を続けている】