「睡眠薬」を常用する人のリスクも大きい。泰江医師が指摘する。

「軽度の不眠症で睡眠導入剤を服用する人は、薬が切れると夜の眠りが浅くなり、日中もぼんやりすることが増えて仕事に支障をきたしかねない。重度の不眠症の場合は薬がなくなることで強い不安に陥り、妄想や幻視、幻聴といった精神疾患の症状や、鬱症状が出る可能性があります」

 甚大な影響が予想される薬切れには十分な対策が必要だが、公的な支援はあてにならない。ダイヤモンド・プリンセス号の患者対応を担当した岡山大学薬学部教授の名倉弘哲氏が指摘する。

「東日本大震災では災害救助法が適用になり、医師の処方箋がなくても薬剤師が患者に薬を処方できました。今回の新型コロナは災害救助法が適用されず、患者が自分で代わりの病院を受診して、医師の処方箋を確保する必要がありますが、別の医療機関を受診する際にお薬手帳を持参すれば、それまで服用していた薬と同じものを処方してもらいやすくなります」

 前出・清水医師がいう。

「別の医療機関を受診する場合、本来なら同じ診療科を選んだほうがいい。しかし緊急に薬を必要としているなら、お薬手帳があれば別の診療科でも同じ薬をもらえます。あらかじめ、かかりつけ医から診療情報提供書をもらっておけば、薬の処方がスムーズになります」

 もはやどの医療機関がいつ閉鎖されてもおかしくない。早めに備えておきたい。

※週刊ポスト2020年4月10日号

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