〈新聞紙上に掲載された本(2018)年1月以降に新たに発覚したとして開示した「省内で法的に論点を検討した新文書」について、本年2月19日の衆院予算委員会で、太田理財局長が「当初段階で、法務担当者に伝え、資料に気付く状況に至らなかった。法務担当に聞いていれば(文書の存在)に気付いていたはずだ」との答弁も全くの虚偽である〉
民事裁判では裁判長が認めれば、証人出廷しなければならない。昭恵夫人の証人出廷なんてことになれば、埋もれてきた数々の虚をあぶり出すことができる。なかでも遺書に何度も登場する四人組の一人、太田などは気が気でないかもしれない。
◆厳重注意の後、昇進
それでも森友国会対策の四人組をはじめ、キーマンたちのほとんどは出世してきた。首相を庇った論功行賞による出世は、安倍政権における見慣れた光景といえる。
佐川もいっときは理財局長から国税庁長官に昇進したが、公文書の改竄が明るみに出て財務省を追われた。安倍一強政権の犠牲者だと庇う声もある。政権を守るために犯罪行為を強いられたという意味では、その通りかもしれない。
モリカケに見られるように、批判の矢面に立たされてきた官僚たちは放り出されてきた。加計学園でいえば、「首相案件」発言を取り沙汰された元経産省産政局長の柳瀬唯夫もその一人だろう。
一方、太田は2018年6月、文書改竄問題で財務大臣から厳重注意処分を受けるが、翌7月には理財局長からナンバー2の主計局長ポストに昇進する。主計局長は次官の待機ポストとされ、それだけ官邸の覚えがめでたかった証だろう。今年7月の人事で後継次官に指名される見込みだといわれる。彼らは何ごともなかったかのように財務省の中核を固めている。四人組の残る中村は現在、駐英公使としてロンドン暮らしを満喫している。