世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。ウイルス感染による肺炎は、高齢者ほど重症化しやすいといわれている。
日本感染症学会と日本環境感染学会の発表によると(2月26日時点)、中国人患者の死亡率は40代までは1%を切っていたが、50代になると1.3%になり、60代になると3.6%と急増。そして、70代になると一気に8%まで上がり、80代では14.8%となった。この結果からわかるように、高齢者ほど死亡率は高くなる。
小池百合子都知事が外出自粛を呼びかけた3月末の週末、都内の大学病院を訪れた60代男性が不安そうに打ち明ける。
「小池知事の要請もあって本当は外出を控えたかったけど、持病の高血圧の検査があるので仕方なく受診しました。幸い、今回は病院に来る人が少なくてホッとしましたが、持病があるからこれから先も通院しないといけない。待合室で咳をする人がいるだけで、ドキリとします…」
男性の心配は杞憂ではない。現在、日本各地で院内感染が頻発している。
3月28日に東京都で感染が確認された63人のうち、ほぼ半数の29人は永寿総合病院(台東区)の患者だった。院内感染者は3月30日現在で96人に達している。
都内ではほかにも慶応病院や国立がん研究センター中央病院などで院内感染が発生し、全国では兵庫県、群馬県、茨城県などの病院で感染が確認された。