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感染拡大でリハビリ病棟閉鎖、脳梗塞患者にもたらす深刻懸念

感染拡大でどんな影響が起きるか(時事通信フォト)

〈外来のリハビリ科業務および入院のリハビリ科業務をともに休止し、また4階回復期リハビリ病棟を閉鎖させていただきました〉

 3月18日、新潟県内の総合病院のリハビリ科職員に新型コロナウイルス感染者が発覚し、冒頭の声明を発表した。

 回復期リハビリテーション病棟とは、脳血管疾患や脊椎損傷、大腿骨骨折など命にかかわる急性期医療を受けた患者が早期に日常生活に復帰するために入院しながら、医師や理学療法士らがリハビリを行なう施設だ。

 感染の拡大で回復期リハビリ病棟の閉鎖が増えると、深刻なのは脳梗塞やくも膜下出血のリハビリがストップすることだ。

 くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋医師(脳神経外科)が解説する。

「回復期リハビリは『発症から1か月』が“ゴールデンタイム”といわれ、脳機能の回復のために重要な期間となります。術後すぐにベッドで手足を動かして、筋肉と損傷した脳の部位の周辺の神経に刺激を与えることが脳の回復につながります。

 この期間のリハビリが中断されると、麻痺を起こした手足の筋力が低下したり、委縮して固まってしまうため、病棟が閉鎖されると患者の回復に大きな影響が出ます。回復期リハビリができる施設そのものも少なく、待機者が多いので転院も難しい。閉鎖が増えれば“お手上げ”状態といっても過言ではないでしょう」

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