新型コロナウイルス感染拡大に伴い、様々なデマがネット上に広まっている。デマの拡散によって、甚大な被害も起きている。デマを発信することはないと安心してはいけない。拡散するだけでも罪に問われる可能性があるのだ。ネットトラブルに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、デマの実態と見抜き方について解説する。
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「26~27度のお湯が感染防止に効く」
「花崗岩から出る紫外線は殺菌力があり感染防止になる」
「納豆が感染防止に効果がある」
皆さんも、このような新型コロナウイルス関連のデマを見かけたことがあるだろう。中には、実際に騙されてしまったという方もいるかもしれない。
デマには、「◯◯が新型コロナウイルス感染予防に効く」「感染者は公式発表と違い◯◯人いる」「(本当はいないのに)感染者がいる」「感染者は◯◯さん」など断定的に伝えるパターンが多い。感染を恐れるあまりに、確認が不十分でも怪しい情報に飛びついてしまったり、疑心暗鬼になって誤った情報を広めてしまう例が多いのだ。
最近では、「4月1日にロックダウン(都市封鎖)する」というデマが拡散された。これらには「政府関係の確かな情報筋から情報が入った」「民放各社にも連絡が入った」など、もっともらしい情報源があるとされていた。3月末頃からTwitterやLINE上でチェーンメールのように広く出回ったため、スーパーには食料品の備蓄を買いに行く人が殺到するはめに。あまりの混乱に、30日には菅義偉官房長官が会見で否定する事態となった。
デマによって現実に被害も出ている。たとえば高松市のスーパーでは、関係者が感染したというデマが拡散されてしまった。「会長夫妻がダイヤモンド・プリンセス号を降りて香川県に戻ってきたところ感染が確認された」というデマが広がった結果、系列の7店のうち6店では前年比で1割売上が上がったのに対して、デマを流された店舗だけは10~15%ほど売上減となったのだ。
◆世界でも広がるデマの拡散と被害
新型コロナウイルスに関するデマは日本だけで広がっているのではない。Twitter、Facebook、WhatsAppやWeChatなど様々なSNSを通じて、世界中で広がっている。
イランでは、「アルコールが感染予防に有効」というデマが広まり、密造酒を飲んだ2000人以上がメタノール中毒に陥り、なんと200人以上が死亡している。