国内

コロナで格差拡大、日本の高校生はデジタル機器学習活用最下位

日本のデジタル教育はどこまで進んでいるのか

 新型コロナウイルスの影響は教育にも波及。感染防止対策のために政府が全国の小中高に一斉休校を要請してから約1か月が過ぎた。政府はオンライン授業の実現に向け、低所得家庭を中心にモバイルルーターを貸与する方針を固めたものの、タブレットなど端末をどうするかといった問題はいまだ残る。

 現状では、タブレットのほか、パソコンや電子黒板などのハードウエアからeラーニング、デジタル教科書などのソフトウエアなどのICT(情報通信技術)を活用した教育に取り組む自治体や学校は、ごく一部に限られるのだ。

◆日本の高校生はデジタル機器活用ワースト1

 2019年12月に『国立教育政策研究所』が3年ごとに実施しているPISA(生徒の学習到達度調査)の2018年調査結果を発表した。OECD加盟国(37か国)のほか、非加盟国含め計79の国と地域の15才児を対象にした調査だ。

 ICT活用について、日本は学校の授業(国語、数学、理科)でデジタル機器を利用する機会がほとんどなく、宿題での利用に至っては、“まったくかほとんどない”と答えた生徒が78.8%に。驚くべきことに、これはOECD加盟国中ワースト1だ。

 ところが、オンラインゲームやチャットでの端末利用はナンバー1。遊びや友人との連絡にデジタル機器を利用することは当たり前の一方で、学習にICT機器が浸透していないことが明らかに。実際、スマホやタブレットの持ち込みを禁止する学校は多い。

 今回、世界9か国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、中国、ドイツ、フランス)に取材を行ったところ、ばらつきはあるものの、ほとんどの地域で、なんらかのオンライン学習を活用していることがわかった。

 ロンドン在住のITコンサルタント・谷本真由美さんによると、オンライン教育が最も進んでいるのはアメリカだ。

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