新型コロナウイルスの感染拡大により、社会の様々なことに影響が出始めている。なかでも深刻な問題としてネットでも盛んに議論が闘わされているのは、休業補償についての問題だ。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ネット、とくにSNSに多数出現している「素人エコノミスト」たちの主張について考察する。
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新型コロナをめぐり“休業補償”論議がネットでは花盛りだ。誰もが高名なエコノミストになったかのように持論を繰り出す。イタリアは30万円もらえるだのシンガポールは24万円だのと述べ、「それに引き換え日本は……」と嘆く。要は日本の「マスク2枚」とエンタメ関連の事業者への補償の薄さを批判したい意図があるのだ。
ところがSNS時代の良いところで、彼の国に住む人々からイタリアの30万円は嘘だとツッコミが入ったり、シンガポールも同国の国籍がある人のみ7万2000円、といった指摘が入る。ドイツも事業主に60万円の補償をしたが、これが「全員に60万円」と誤解され、「これだから日本は……」とまた“素人エコノミスト”様が批判の材料にする。実際は2万人の枠で申し込みの上、審査をされるということなのだ。そして、日本も事業主に対する助成金については厚労省がすでに発表している。
今回の件については世紀の大天災のようなものであり、一人あたり10万円の現金給付でそれを確定申告時に上乗せする、といったやり方をスピード感をもってやるべきだとは思う。
だが、超高級クラブが補償を求めるのは正直意味が分からない。ネットではこれに対する議論が発生したが、支援賛成派は「職業差別だ!」と主張。反対派は国税庁による「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」を持ち出し反論。2018年版の1位は「キャバクラ」で2897万円で、申告漏れ割合は93.7%。ここに「キャバレー」も含まれるため高級クラブも含まれる。
座るだけで3万円以上するような会員制の店なわけであり、十分儲けてきたし、メディアに登場し、派手な生活を自慢する人もいるのに何を言うか。金持ちの常連客にリモート接客でもして100万円払ってもらえばいいではないか。