時代が移り変わるたびに、その時代に合った「お嫁さんにしたい」女優が現れ、世の男性たちに愛されてきた。そんな女優と、エピソードを紹介する。
◆市毛良枝
フジテレビの昼ドラ『小さくとも命の花は』などの“嫁姑シリーズ”で、姑との関係に悩みながらも芯の強い新妻を演じ、1980年前後に「お嫁さんにしたい女優」と呼ばれるようになった。局には「ウチの息子の嫁になってほしい」と姑からの声が多数寄せられた。
男性人気も高く、1980年にはファンレターが1日約100通も届き、その大半が男子学生。マラソン界のスターだった瀬古利彦も「嫁さんにするなら市毛さんのような人」と語っていた。当時の雑誌で本人が「“この女なら、おとなしく黙ってついてきてくれそうだ“なんて思われているみたい」と語っている。
実生活では、38歳の時に弁護士でのちに法務大臣を務める小川敏夫氏と結婚。35歳を過ぎて4~5度目のお見合いでまとまった縁談だった。
◆東ちづる
短大卒業後、ソニーで会社員として働き、24歳で芸能界へ。1987年、平日昼放送の『金子信雄の楽しい夕食』(朝日放送制作、テレビ朝日系)のアシスタントに抜擢され、人気が急上昇した。
頑固な金子に対し、「お酒を飲み過ぎないように」「テレビなんだから、そんなに(料理に)こだわらなくても」などと本音をぶつける姿が評判を呼び、関西の女性誌アンケートでは『お嫁さんにしたい女性No.1』に選ばれた。事実、東は「息子の嫁に、という話が多いんです」と当時話していた。
1988年頃から東京に進出すると、「お嫁さん」イメージの効果か、1989年にはシステムキッチンのCMに起用され、『クイズ ヒントでピント』(テレビ朝日系)など6本のレギュラーを抱える売れっ子に。2003年、2歳年下の飲食店経営者と8年の交際を経て結婚した。