新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、多くの大学では入学式を中止、新年度の授業は当面、オンライン授業となっている。教員側は大学などから授業を配信し、学生はパソコンやタブレット、スマートフォンなどで受講する仕組みだ。ところが、教員と学生のスキル、学生たちの”ギガが足りない”などの問題が噴出している。元小学校教員で教育とIT事情に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、大学のオンライン授業における問題点について解説する。
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オンライン授業で想定されるのは、YouTubeライブやZoomなどで生配信する方法だろう。しかし、これには様々な問題がある。
たとえば立命館大学ではオンライン授業開始初日にアクセスが殺到し、専用サイトにアクセスしづらい状態となった。元々オンライン授業を行うことは想定されていないサイト環境だったため、サーバーが負荷に耐えきれなかったというわけだ。
このように大学側のインフラが十分ではなかったり、大学の教員側が慣れておらず、スキルが低いなどの問題もある。しかしそれ以上に問題なのが、学生側のネット環境事情だ。
◆Wi-Fi環境がなく受講できない可能性も
学生の中には、自宅にWi-Fi環境が整っていなかったり、パソコンやタブレットが用意できていない学生も少なくない。ある男子大学生は、これまでYouTubeなどの動画を見るときには大学のWi-Fiを利用したり、フリーWi-Fiスポットを利用したりしていたという。
「休校になってしまって、動画が見られない。これからオンライン授業と言ってるけど、ギガが足りなくなりそうで心配」