新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。日本国内では感染経路が不明なケースも多く、日々の生活のなかでどこに危険が潜んでいるかわからない状態だ。
そこで、新型コロナウイルス感染者に過去の行動を振り返ってもらい、どこに感染リスクがあったのかを検証してもらった。
◆3連休前に起きた外出自粛の気の緩み
「3月の3連休前に自粛要請が一部解除されて、それまでの緊張が緩んだんです」
苦渋の表情でそう振り返るのは、都内在住の会社員Aさん(32才)。3連休中、Aさんは大阪まで旅行して羽を伸ばした。
「つい浮かれてしまって、昼は心斎橋付近のたこ焼き屋で買い食いして、夜はフグや焼き肉に行きました。東京に帰ってから体調を崩し、39℃の発熱が続いて検査を受けたら陽性になりました。大阪で感染したと決まったわけではないのですが、新幹線など不特定多数が多いなか、遠くまで出かけてリスクを高めることをなぜしたのか。悔やんでも悔やみきれません」(Aさん)
このケースで大きな教訓となるのは、「気の緩み」だ。
Aさんのように、3月の3連休で気が緩み、結果としてコロナに感染した人は少なくない。いまはまだ緊急事態宣言が出たばかりで緊張感があるが、この先、どこかで張り詰めた気持ちが緩むときが来るはずだ。その際に感染拡大を招かないように、3月の3連休で学んだ教訓を肝に銘じたい。
東京などの都市部から地方の実家に戻った人が感染源になるケースもある。富山や新潟、北海道では都内に住む20代女性が実家に帰省中に感染が確認された。学校が休みになった大学生や専門学生などが「親が心配だから」と帰省している最中に発症するケースも複数報告されている。
そのため「帰省自粛」を訴える市町村も続出している。
「親を心配する気持ちはわかるが、実家に戻って高齢の親に感染させたら重症化リスクが高くなります。また感染者のいない地域に一時的に移り住む『コロナ疎開』も大問題で、石垣島では実際に島民以外の人から島民に感染しました。いまは自分がすでに感染していると考えて、コロナ帰省やコロナ疎開はもちろん、不要不急の移動を可能な限り避けるべきです」(医療ジャーナリスト)
◆横に座った高熱のサラリーマン
政府は「極力8割の接触減」を目標に掲げて外出自粛と在宅勤務を求めるが、会社を休めないという人も多い。
緊急事態宣言以降の毎朝の光景を見ても、通勤者は目に見えては減っていない。だが、「電車」が危険地帯になることを忘れてはいけない。
「何度考えてみても、電車のなかでのあの10分が怪しいんです」と語るのは、4月上旬に陽性が判明した、都内に住む男性会社員のツイッターアカウント・@namaokasanさん(37才)だ。マスクや手洗いを欠かさずに外食を控えていたのに感染してしまった@namaokasanさんが「怪しい」と振り返るのは、電車通勤の際のある経験だ。