「一体、いつになったら受け取れるんだ!」──新型コロナの影響で売り上げや収入が減ってしまった企業・個人のために、緊急融資や特例貸付、助成金の拡充といった措置が講じられた。しかし、申し込みの多さと手続きの煩雑さに、現場は大混乱に陥っている。
新型コロナ緊急対策には、日本政策金融公庫が窓口となる中小企業の資金繰り支援もある。人事ジャーナリストの溝上憲文氏がいう。
「実質、無利子・無担保の緊急融資です。この融資で雇用調整助成金が出るまでを凌ごうとする企業も少なくない。審査は比較的スムーズだとされますが、それでも順番待ちが出てしまっている」
中小企業庁によれば公庫への資金繰り支援の申し込みは約22万件にのぼる(4月14日時点)。
関西地方にある公庫の支店でも、窓口で必要書類や添付資料などを提出すると、面談の予約となる流れだ。
地元のオフィス街でレストランを経営する60代男性は「書類は提出したが、面談はGW明けと言われた」と憤る。
「3月中旬からお客さんが急減し、4月に入ってからは休業している。会社の登記など必要書類を用意するのに法務局に行ったら、そこでも行列……。2000万円の借り入れを申し込んでいて、面談後は1週間ほどで融資がおりると聞いたが、あと1か月はなんとか耐えるしかない。これのどこが“緊急”融資なんや」