現在放送中のNHKの連続テレビ小説『エール』。第4週では、古山裕一(窪田正孝)と関内音(二階堂ふみ)が音楽に導かれ、手紙を通して知り合うこととなった…。今作ではセットに対するこだわりがかなりのものだという。主人公・裕一が生まれた古山家のセットもすごいが、音が住む愛知県豊橋市の関内家もまた細部まで作り込まれている。
◆ハイカラなインテリアは母・光子の趣味
音の家は、住居スペースと馬具店が隣接。父・安隆(光石研)亡き後も母・光子(薬師丸ひろ子)が商いを続けている『関内馬具店』は、軍に卸す鞍などを製作している。美術チーフの日高一平さんはこう話す。
「この時代、どんなふうに馬具を作っていたか不明な部分もあったので、北海道で昔ながらの手法で鞍を作っている馬具工房を取材させてもらいました」
住居部分は、ハイカラな光子のキャラクターが反映されていて、和洋折衷。畳の上に絨毯を敷いた居間には、洋風の置物が飾られていて、その中には馬モチーフのものも。
籐椅子が置かれたサンルームの床をタイル張りにするなど、細部まで作り込まれている。2階は、3姉妹の部屋。8畳ほどの和室をシェアしていて、それぞれ壁や窓を向いて座る配置となっている。
机まわりの小物には性格が反映されていて、おしゃれ好きの長女・吟(松井玲奈)はかわいい雑貨を、文学少女の妹・梅(森七菜)はたくさんの本、そしてサッパリした性格の音はシンプルに。
「画面には映らないようなところにまでこだわりました。演じる俳優さんたちが驚いたり喜んでくれると、やりがいを感じますね」(日高さん)
3姉妹の成長と共に変化していく小物も楽しめそうだ。
【1階・玄関】
裕一と文通するようになった音は、毎日ポストをのぞくのが日課に。ちなみにこのポストは、馬具の職人が作って子供たちが馬の絵を描いたという裏設定があるとのこと。
玄関に吊してあるのは、豊橋名物の手筒花火。使い終わったものを魔除け・厄除けとして軒下に置く風習があるという。
馬具店と自宅共用の門はレンガ造り。パーゴラに植物をはわせるなど、洋風なエクステリアも取り入れている。音はここを通って学校や歌のレッスンへ。
【1階・サンルーム】
レースのカーテンが掛けられたサンルーム。窓からは梅の木と、光子が丹精する花壇が見える。