“ぐっさん”の愛称で知られるお笑いタレントの山口智充が、今年4月から地上波全国放送のレギュラー番組がゼロになり話題となった。しかし本人はとりたてて焦りや不安を感じていないという。なぜだろうか。
2008年から放送開始した土曜朝の情報バラエティ番組『にじいろジーン』が、2020年3月28日をもって終了した。それにより同番組で長年MCを務めてきた山口は、地上波全国放送でレギュラー出演する番組を失うことになる。
しかし4月24日に放送されたトークバラエティ番組『ダウンタウンなう』にゲストで出演した際、彼は焦りや不安がまったくないと主張していた。芸能界に依存せず、「山口智充という人をエンジョイする」ことを中心にしてきたからだという。
たしかにお笑いだけでなく、俳優として映画やテレビドラマに出演し、さらにミュージシャンとしても活動を行なっている山口は、どこかひとつの業界に依存することがないように見える。それは類稀な芸の持ち主である山口智充という才能がつねによりどころとなっているからなのだろう。
お笑いコンビDonDokoDonとして1994年にデビューした当初から、山口はモノマネや声帯模写に秀でた異色の存在だった。そのレパートリーは歌手や俳優など著名人のモノマネはもちろん、セミやウグイスなどの動物、あるいは花火やヘリコプター、さらに“戦後ラジオから流れる歌謡曲”までこなす多才ぶり。2004年に放送された大河ドラマ『新選組!』で永倉新八役を演じた彼が、オウムの声としても登場していたというエピソードはファンの間で広く知られている。
もともとミュージシャンを目指していただけに、音に対する感覚が鋭かったのかもしれない。ミュージシャンとしては雨上がり決死隊の宮迫博之とともにデュオ・ユニット「くず」を結成し、2004年にリリースされた3rdシングル「全てが僕の力になる!」でオリコンチャート1位を獲得。その後2009年には1stアルバム『(有)山口モータース』でソロ・デビューを飾り、これまで4枚のアルバムをリリースしてきている。