2019年5月の「御代がわり」から約1年。体調に不安を抱える雅子さま(56才)だが、即位に関するすべての行事に出席され、新皇后として無事に務めを果たされた。とはいえ、今年4月3日に皇居・皇霊殿で行われた「神武天皇祭」は欠席されるなど、宮中祭祀についてはまだ万全とはいえない。
晴れやかな笑顔や、お元気そうなお姿を見ていると忘れがちだが、雅子さまはいまだ療養中の身だ。陛下だけが祭祀に臨まれている間、雅子さまは御所で「お慎み」をされるに留まっている。
また、皇居や赤坂御用地の清掃などを行う「皇居勤労奉仕団」へのご会釈も、本格的に復帰されるにはまだ時間がかかりそうだ。皇后となられて1年の間で、雅子さまは1月に1度だけご会釈に臨まれた。しかし、平成元年に美智子さまが40回以上のご会釈をされていたのと比べると、まだまだ少ないのが実情だ。
元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、ご会釈のご欠席についてこう語る。
「ご会釈は赤坂御用地内で行われますし、宮中祭祀のように潔斎やお着替えがあるわけでもありません。ご負担は少ないように思えますが、何か原因があるのでしょう。冒頭の挨拶だけとか、短時間だけ懇談に参加されるとか、工夫をしてお出ましになれるようになればいいですね」
代々の皇后に受け継がれる養蚕に雅子さまは取り組めるのか、不安視する声もある。養蚕は例年、春から夏にかけて行われ、美智子さまも皇居内の紅葉山にある養蚕所へ足繁く通われてきた。
昨年7月、雅子さまは収繭作業見学のために養蚕所を訪ねられる予定だった。しかし、到着直前になって取りやめが決定。順調に公務をこなされていただけに、養蚕も予定通りに取り組まれると期待されていた中での出来事だった。『素顔の雅子さま』(河出書房新社)の著者で放送作家のつげのり子さんはこう話す。