ホンダの中古車が月額定額制で借りられるサービスが人気となっている。折しもコロナ感染の脅威から公共交通機関を避ける人が多い中、「若者のクルマ離れ」解消の契機となるか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。
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自動車業界で新たな需要創出のネタとして期待が大きく膨らんでいるクルマのサブスクリプション(月額定額制)サービス。
自分で購入するときのように高額な頭金を用意する必要がなく、月々決まった額を払うだけでOKというシンプルな消費形態は若年層に向く……という皮算用で自動車メーカーやリース会社などが続々とサービスを開設しているが、現実は厳しく、苦戦の報ばかりが目に付く。
そんな中、ホンダが興味深いサブスクを始めた。中古車を月額定額制で借りることができる「Hondaマンスリーオーナー」だ。
滑り出しは好調だ。現在、埼玉県和光市の中古車センター、Uセレクト城北の1拠点のみでサービスを行っている(4月29日~5月6日は休店)が、予約サイトを見ると33台が利用中、11台が予約済み、2台が仮予約、2台が準備中で、今すぐ予約できるクルマが1台もないという状況だった(4月28日時点)。まさに“早い者勝ち状態”である。
なぜホンダのサブスクだけが日本の顧客に受け入れられているのか。理由はいつでも違約金なしで解約可能であることから実質月単位で借りることができるという手軽さと、価格の安さの2点であろう。
契約は最長11か月だが、それを超えて使いたい場合は再契約をすればいいという。車両が免責5万円、対人、対物、搭乗者傷害は免責0円というフルスペックの任意保険込みでスターティングプライスは税込み2万9800円と、レンタカーを数日借りるのと同等。これで1台のクルマを占有できてしまうのである。レンタカーより面倒な点は車庫証明を取得する必要があることくらいだ。