日々めざましい進歩を遂げる家電。高齢者の生活を支えてくれる一方で、高齢者の「使えない」が「やらない」に直結しがちなのもまた事実。長い高齢時代を快適に過ごすため、家電をどう活用していくかを家電コーディネーターの戸井田園子さんに聞いた。
◆洗濯機・冷蔵庫・炊飯器は従来タイプで自立を促す
「高齢者の生活に家電を生かすには“自立支援”と“楽になる”の二面から考える必要があります」と、戸井田さんは言う。最先端だから必ず役に立つとは限らないのだ。
「たとえば洗濯機。最新はドラム式洗濯乾燥機で洗剤自動投入機能付き。機能自体は便利でも、しくみが理解できないと“怖いから触れない”となりがちです。
高齢者には、いままで通り洗剤を量って入れ、長年慣れたボタン操作から大きく変わらないものの方が、洗濯を自分の仕事として続けられる。つまり、自立を促せるわけです。
洗濯機、冷蔵庫、炊飯器など身近なツールとして使いこなしてきたものは冒険せず、使っていたものと同じラインから選ぶのがおすすめです」
また、これからの季節は、空気清浄、布団や衣類乾燥など、室内環境を整える家電も活躍。老親の操作のしやすさも重視して選びたい。