2020年7月1日から全国の小売店でレジ袋が有料化される。それに先立ち早々に有料化を導入する店も多数出てきた。レジ袋削減を促すため、行動経済学に基づいた実証実験なども行われているが、果たしてその効果は? 作家の内藤みか氏がレポートする。
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今から30年ほど前、当時女子高生だった私は地元山梨県のスーパーでレジ係のアルバイトをしていました。当時は購入者には必ずレジ袋を渡す決まりになっていて、アメ1つ買うのにも袋を消費していました。無駄ではないかと上の人に聞いてみましたが、レジ袋は品物を買った“しるし”なので、必ず渡すようにの一点張りだったのです。
高齢者の中には、レジ袋をもったいながり「自分のバッグに入れるから要らない」と断わるお客様もいましたが、それをお店は認めませんでした。自分のバッグに直接品物を入れられると、万引きとの区別がつかなくなるから困るとのことでした。
現代では、レジ袋をできるだけ渡さない方向に進んでいるのは、環境的にはとても良いことです。
◆トクをしないと動かない日本人
今では私はエコバッグを2つ持ち歩いています。これまではスーパーだけに使っていましたが、いまやドラッグストアなどあちこちでレジ袋省略の動きがあるため、ひとつでは足りなくなってしまったからです。
最近多くの人がスマホ決済を利用するようになりましたが、ポイント還元などでトクすることが大きな理由でした。エコバッグもそれと同じ理由が多いかもしれません。
私が行くスーパーではレジ袋を辞退すれば2円分のポイントを付けてくれますし、無印良品でもマイル(ポイント)を加算してくれるのです。使ったほうがトクだと感じたからこそエコバッグを使う人が増えていったのでしょう。
先日、いつもとは違うスーパーに行きました。そこではレジ袋がまだ有料化されておらず、エコバッグを持って行ってもポイントもつきません。だからなのか、多くの人がレジ袋を受け取っていました。コンビニでエコバッグを使う人が少ないのも、特典がないからだと思います。
しかし、ついにコンビニのミニストップが5月に各店250枚限定でエコバッグを配布するそうです。でもこの方法だともらえた250人しかエコバッグを使うようにならないかもしれません。エコバッグを持ってくる全員にポイントを付け、ある程度溜まったらおにぎり1個など何かをプレゼントしたほうが成果が持続する気がするのですが。