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コロナ禍で鉄道の減便・運休が続発 京成電鉄の苦肉の策は

1991年、成田空港ターミナルの地下に成田空港駅が完成。成田エクスプレス」が乗り入れ開業(時事通信フォト)

1991年、成田空港ターミナルの地下に成田空港駅が完成。成田エクスプレス」が乗り入れ開業(時事通信フォト)

 JR東日本は、これまで空港への足として特急列車「成田エクスプレス」を運行してきた。成田エクスプレスの多くは運休し、一部の便は成田まで運行しないダイヤが組まれた。「成田まで行かない、成田エクスプレス」が爆誕したわけだが、運転区間を短縮や減便をしたからといって、鉄道各社が収支を好転させることは難しい。

 外出自粛によって、東京・大阪などの都市圏は大幅に利用者が減少した。鉄道各社は赤字を少しでも抑える工夫として、あの手この手で経費削減に努めている。しかし、それにも限界がある。

 なにより鉄道会社の経費は車両・駅・線路といった施設の維持に費やされる。鉄道会社はこれらの維持費が多くを占めるので、運行本数を減らしても経費削減効果は薄い。そうしたことから、鉄道各社は新型コロナウイルスで困窮を極める。

 JR東日本と同様に、成田空港へのアクセスを担う京成電鉄は他社とは異なった動きを見せている。

 京成は東京都の東側と千葉県に路線網を有する大手私鉄のひとつだが、京成の稼ぎ頭は何と言っても京成上野駅と成田空港とを結ぶ特急列車「スカイライナー」だ。

 2010年、京成はスカイライナー用に新型特急列車のAE形を導入。新型のスカイライナーは最高時速160キロメートルで走行するため、京成は東京都心部と成田空港間を最速36分で結ぶことを実現した。所要時間が短いことをウリにして、京成は利用者の拡大を図った。

 スカイライナーは起点となる京成上野駅を出発すると、山手線と接続する日暮里駅に停車するだけで、あとは空港第2ビル駅までノンストップで運行する。途中の駅には見向きもしない停車駅設定からも、スカイライナーが成田空港利用者に特化していることが窺える。

 訪日外国人観光客が増加を続ける潮流に乗ったスカイライナーは、多くの乗客で溢れることになった。

 しかし、新型コロナウイルスにより状況は暗転。空港利用者・訪日外国人観光客が姿を消した。3月半ば以降、スカイライナーの乗車率は激減。空港関係者の専用鉄道という趣を強くしている。

 成田空港が日本を代表する国際空港といっても、空港職員や関係者だけでスカイライナー全便を満席にすることはできない。空港関係者が多く乗車しても、昨今の状況ではスカイライナーは空席だらけになってしまう。

 スカイライナーが危機に直面する中、京成は急遽として4月11日にダイヤを改正。同改正により、朝夕のスカイライナー6本が青砥駅に停車するダイヤに変更された。

 通常、鉄道会社が4月11日という中途半端なタイミングでダイヤを改正することはあり得ない。そのため、スカイライナーの青砥駅停車という措置は、新型コロナウイルスへの対応と考えるのが自然だ。しかし、京成電鉄経営統括部広報・CSR担当者は、

「スカイライナーを青砥駅に停車させるようにダイヤ改正を実施した理由は、浅草方面から押上線を経て成田空港に向かう乗客が多かったからです。そうした利用状況を踏まえ、成田空港へのアクセス向上と、さらなる利用促進を図る目的で青砥駅にスカイライナーを停車させることにしました。今回のダイヤ改正は、新型コロナウイルスの影響を考慮したものではありません」

 と説明。新型コロナウイルスの影響による緊急対応であることを否定した。

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