芸能

TKO木下隆行 のYouTuber活動が空虚に見えるのはなぜか

TKO・木下隆行の謝罪動画は30万超の記録的な低評価(イラスト/ヨシムラヒロム)

TKO・木下隆行の謝罪動画は30万超の記録的な低評価(イラスト/ヨシムラヒロム)

「悪名は無名に勝る」とは、世に知られていない状態よりも悪名高いほうが有利である、という意味だが、いまで言えば炎上でもPVやRTが稼げた方が有利だとでもいえば分かりやすいだろうか。芸歴30年のベテランコンビTKO・木下隆行が所属していた松竹芸能を退所、4月からYouTuber活動を始めた。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、謝罪がメインコンテンツとなっているYouTuber木下について考えた。

 * * *
 謝罪がネタになっている──。

 お笑いコンビTKOの木下隆行のYouTubeチャンネル『木下プロダクション』の動画を観て、こんなことを考えてしまった。公開されている動画の約半数が謝罪に関する内容である。新しい門出を迎えた木下は低頭平身のYouTuberロードを歩んでいる。

 ことの発端は、木下がYouTuberデビューした4月1日の動画である。ここで木下は3分間にわたり、騒動について陳謝、所属事務所からの独立、お笑いへの渇望、相方への想いを述べた。

 奇しくも語られていることは、今年1月にYouTuberデビューを果たし、木下同様に1本目に謝罪動画を公開した宮迫博之の動画とほぼ同じ。木下は宮迫を参考に動画を制作したのだろう。似た動画には似た評価が下されるもので、ともに「好評価」よりも「低評価」が集まっている。ただし、数が違う。宮迫の「低評価」は19万、木下の「低評価」は30万超である。人気と知名度、再生回数、起こした事件の大きさにしても宮迫が上回っている。普通に考えれば、宮迫の方に多くの批判も集まるはず。しかし、木下にはその理屈が通用しない。よくここまで嫌われた!と感心してしまうほどにどんなYouTuberよりも「低評価」を集めている。良くも悪くも謝罪動画は、木下の芸能人生において最も大きな話題を集める成果物となった。

 宮迫の謝罪動画を参考にした木下だが、YouTuberデビューの方法も模している。宮迫が人気YouTuberヒカルを後見人にしたように、木下はカジサックを後ろ盾にしている。木下はカジサックの動画で、自身が松竹芸能という事務所を抜けることになったトラブルについて語っていた。

 木下の主張を要約すると、後輩に対しての2回のパワハラが事務所退所の原因(1回目は投げたペットボトルがたまたま後輩の目を直撃。2回目は芸人独自の楽屋遊びの中で発生)。すでに2人の被害者とは和解済みであり、今のようなジリ貧の状況に追い込まれた原因はあることないことを書き連ねたメディアにあると続く。

 最初に動画を見た際、印象に残るのは根拠が薄い風評被害によって追い詰められた芸人の悲しみだろう。ただし、2度目となると不思議と印象が変わるもので……。悲しみよりも自身のパワハラ騒動をメディアに責任転換する木下の”いやらしさ”が妙に目立つ。動画での謝罪もなんだか空虚に見えてくる。

 自称「悲劇の芸人」木下はこのようにYouTuberデビュー以降、数々のヘイトを集め続けている。そして、今ではみずから“ミスター低評価”と自称するようにもなった。

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン