透明感のある肌に豊かな黒髪が光る。丁寧に整えられた爪には、細かいラメのマニキュアが塗られていた。
本誌・女性セブン記者に、「どうしよう、こんなスッピンで。恥ずかしい。変な顔の写真とか撮ってないよね」と笑顔を見せる。「どうせならもっと明るいところで撮って」と自ら場所を移動すると、ピースサインやさまざまなポーズもとってくれた。
これは昨年5月、岡江久美子さん(享年63)が本誌の直撃取材に答えてくれたときの様子だ。岡江さんは新型コロナウイルスによる肺炎で4月23日に急逝。残念なことに、これが最後の取材になってしまった。
2014年に17年半も司会を続けた『はなまるマーケット』(TBS系)が終了すると、その後は表舞台に出ることが少なくなっていた。その間、母親の介護に励み、本誌の取材には8年にも及んだ“介護生活”について語っている。
「『はなまる』時代も、毎日、隣に住むお母さんのために食事を作って届けていました。2017年の11月に施設で亡くなられましたが、岡江さんは本当に献身的にケアされていましたよ」(岡江さんの知人)
だが、本誌の取材には「もっと旅行に連れて行きたかったし、できていないことがいっぱいあった」と後悔ばかりを口にした。「介護はどれだけ頑張っても、“やり切った”とは言えないことがわかりました。自分ひとりで抱え込まずに、施設やプロのかたのお力を借りられる人は、絶対に頼った方がいい」と、介護に悩む人々へエールも送った。
岡江さんの死後、昨年12月に乳がんの手術を受けていたことが明かされたが、生前はがん闘病についても、コロナ感染に関しても一切公表することはしなかった。
「心配や迷惑をかけたくなかったんでしょう。彼女は、愚痴や弱音を吐かない人。どんなに落ち込んでも“3分で持ち返す”“ひと晩寝れば忘れる”と笑って話していました。常に前向きな人だったから、乳がんにも克って、コロナにも負けずに治してみせるんだって、きっとそう決意していたのだと思う」(前出・岡江さんの知人)