新型コロナウイルス感染拡大のための緊急事態宣言が延長された一方で、各自治体は、休業要請や外出自粛の解除に向けて「出口戦略」を独自で策定し始めた。
最も動きが早かったのが大阪府。吉村洋文知事は5月5日の会見で、新型コロナの陽性者の割合や重症患者を受け入れる病床の使用率などの基準を示し、「これらの指標を7日間連続で満たすことを条件」に、飲食店やデパートなど各種施設の休業要請の緩和、学校の再開など段階的に進めていくことを発表した。
「5月15日時点で判断されることになり、早ければ5月31日を待たずして“自粛解除”が始まる可能性があります」(全国紙社会部記者)
この「大阪モデル」に続けと、茨城県や栃木県なども独自のプランを相次いで発表。出口戦略を示せない国を尻目に、地方から自粛解除の具体案が出始めている。経済評論家の鈴木貴博さんが言う。
「この先は新規感染者数を見ながら、日本全体で段階的な経済活動の再開に動いていく必要があります。一気にすべて解除するのではなく、リスクに応じた条件付きの解除になっていくはずです」
すでにイタリアやフランス、スペインといった、日本より多くの死者を出した国でも自粛を解除し始めている。国内の商業施設はどんなスケジュールで再開されるのだろうか。
まず気になるのはレストランや居酒屋などの飲食店だ。現状は概ね全国的に、飲食店は営業時間の短縮を要請され、アルコールの提供は夜7時まで。バーやクラブは休業を求められている。
ヨーロッパでいち早くロックダウンの緩和を進めたのがオーストリアだ。4月14日から外出制限の緩和に踏み切り、400平方メートル以下の小規模な店舗に限り、営業を認めた。スイス在住のジャーナリスト・穂鷹知美さんは話す。