芸能

田中みな実の眼帯でバズる『M』 「腹筋崩壊」は褒め言葉か

番組公式HPより

 ドラマの制作者もネットでの“評判”を無視はできない時代だ。視聴率とはまた別の指標として参考にしているに違いない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が、週末のネットを騒がせているドラマについて分析した。

 * * *
 ドラマ撮影延期のケースも続く中、深夜帯ではコメディエンヌたちがぶっ飛んだ演技を見せてくれています。羽田美智子の『隕石家族』(フジテレビ系土曜日午後11時40分)、水野美紀の『浦安鉄筋家族』(テレビ東京系金曜深夜0時12分)と、いずれも「家族」が看板のギャグドラマ。

 いや、もう一つ忘れてはいけないファミリーギャグがあります。そう、「南青山のエイベックス」という「ファミリー」をドラマ化した『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系土曜午後11時15分)です。

 物語は……浜崎あゆみがスターダムへと駆け上っていった道のりを小説にした同名原作のドラマ化。安斉かれん(アユ役)・三浦翔平(マックス・マサ役)の二人を軸に90年代の音楽業界の光と影と愛を描く、という触れ込み。蓋を開けてみると……シリアスな業界モノというより「ギャグドラマの真骨頂」「腹筋崩壊」と注目され、ネット上での“バズり”を狙うスタンスも感じられます。これがギャグ作品だと言えるのは、できるだけ物語の筋に「感情移入できないよう」、人間関係のストーリーに「熱中しないよう」、醒めるための周到な仕掛けが複数用意されているからです。

 例えば、マサ役・三浦さんの「俺の作った虹を渡れ!」に代表される大げさなセリフ。浜崎あゆみ役・安斉さんの人工的な輪郭・声色、サイボーグ感満載の実在性のなさ。レコード会社社長・大浜役の高嶋政伸さんは、目を剥くヒール役演技で既視感ありあり。あれは『黒皮の手帖』の大手予備校理事長役だったか。意図的に演技を被らせているということかもしれません。

 中でも象徴的なのが、マサの秘書、礼香役の田中みな実さん。海賊風の眼帯(オレンジ色)が意味不明で、アユへの嫉妬を増幅させて「彼女しぶといですよ、ゴキブリみたいに」と周囲をそそのかしたり、陰湿ないじめぶりを展開。狙いすぎで鼻白むほど。かつての音楽業界の雰囲気を再現したり恋愛・人間関係をドラマとして高めていくことよりも、SNSの反響を当て込んだ今風「エンターテイメント」と言えるでしょう。

 マサのモデルは言わずと知れたエイベックス会長・音楽プロデューサー松浦勝人氏。ご自身もSNSに参画して盛り上げ役に。ドラマに合わせて浜崎さんとのツーショットのみならず、「壁ドン」写真までアップして、笑いをとることも含めて「戯れ」ぶりを披露してくれています。

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【約4割がフジ社内ハラスメント経験】〈なぜこんな人が偉くなるのか〉とアンケート回答 加害者への“甘い処分”が招いた「相談窓口の機能不全」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【被害女性Aさんが胸中告白】フジテレビ第三者委の調査結果にコメント「ほっとしたというのが正直な気持ち」「初めて知った事実も多い」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
記者会見を行ったフジテレビ(時事通信フォト)
《中居正広氏の女性トラブル騒動》第三者委員会が報告書に克明に記したフジテレビの“置き去り体質” 10年前にも同様事例「ズボンと下着を脱ぎ、下半身を露出…」
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン