厚労省の最新調査で、4月末の時点で新型コロナウイルス感染者2000人近くが自宅で療養していることが判明した。PCR検査の陽性者のうち23%にものぼるという。政府は軽症者も宿泊施設などで療養するように通知しているが、実態はまったく徹底されていない。
もしも、同居者に感染者がいたり、家族に感染が疑われる症状が出た場合はどうすべきか。様々な感染防止対策を実践するのは当然のこと、徹底した「隔離」が大事になる。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはこう話す。
「感染疑いの人と家族の部屋を分けて、世話をする人はできれば1人に限定します。感染疑いの人の衣服や食器などは手袋をして触り、廃棄物は密閉して処理します。家族全員がマスクをすることも必要です」
感染疑いの人には家族の最後に風呂に入ってもらい、利用後は掃除して充分な換気をすることが必須。ちなみに、一般にウイルスは大気中でも水中でも活動は変わらない。「湿気で感染力が弱まる」とされるのは、大気中の水分が付着して重くなるので、地面や床に落下するスピードが上がり、大気中のウイルス濃度が低くなるからだとされる。
坂根Mクリニック院長の坂根みち子さんは「食器洗いに注意」と指摘する。
「ほかのことは気をつけていても、感染疑いの人が使用した食器を洗うときについ気をゆるめてしまって、普段通り水をバシャバシャと流して洗ってしまい、跳ねた水に付着したウイルスに触ってしまうことがよくあります。洗剤を使って注意深く水が跳ねないように洗うことが必要です」
皿や箸は感染者が直接口に触れるため、感染リスクが高い唾液が付着する。水で洗い流すとキッチン周辺にウイルスが残ってしまう可能性があるのだ。