ライフ

巣ごもり化によるホットケーキ需要激増について感じたこと

親子で作るのに格好だったのが品切れの要因か(写真:アフロ)

 未曾有の事態だけに学ぶべきことは多い。食品、流通に関しても然り。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

 * * *
 新型コロナ禍では、インスタント麺やパスタなどの小麦粉を使った食品が売れに売れた。震災時のように電力に不安があるわけでもないのに、そのまま食べられるパンや菓子類が売れるのは、人間心理の不思議なところだが、震災のときと明確に違う棚もある。

 今回は小麦粉食品だけでなく、小麦粉自体も品薄だし、ホットケーキミックスのような「混ぜるだけ」で済む菓子材料まで品切れになった。その副材料のひとつである、製菓用のベーキングパウダー(ふくらし粉)まで品切れとなっている。

 日経POS情報の「売れ筋情報ランキング」における「ケーキ・パン材料」のランキングも異例の並びとなっている。例えば半年前の2019年10月の月次ランキングはこう。

【1】日清F スーパーカメリヤ ドライイースト 50g
【2】森永 クックゼラチン 5g×6
【3】森永 クックゼラチン お徳用 5g×13
【4】共立 ホームメイド 製菓用アーモンドプードル 70g
【5】日清F スーパーカメリヤ ドライイースト 3g×10
【6】共立 ホームメードケーキ バニラエッセンス 28ml
【7】朝日 粉かんてん 40g
【8】日清F ベーキングパウダー 4g×8
【9】マルハニチロ ゼライス ゼラチンパウダー 13袋 65g
【10】伊那 かんてんぱぱ かんてんクック 粉末 4g×4

 上位に製パン用のドライイースト、ゼリーを作るためのゼラチンや寒天、焼き菓子用のアーモンドプードルあたりが並んでいる。ベーキングパウダーは8位に1ブランドが入っているのみ。ところが新型コロナ化による巣ごもり化が進んだことで半年後、4月の月次ランキングはこうなった。

【1】森永 クックゼラチン 5g×6
【2】日清F スーパーカメリヤ ドライイースト 50g
【3】森永 クックゼラチン お徳用 5g×13
【4】共立 ホームメイド 製菓用アーモンドプードル 70g
【5】大宮糧食 アイコク ベーキングパウダー 缶100g
【6】共立 ホームメードケーキ バニラエッセンス 28ml
【7】日清F スーパーカメリヤ ドライイースト 3g×10
【8】共立 ベーキングパウダー アルミフリー 30g
【9】マルハニチロ ゼライス ゼラチンパウダー 13袋 65g
【10】日清F ベーキングパウダー 4g×8

 なんと5位、8位10位とベスト10にベーキングパウダーが3種類ランクインしている。3月から巣ごもり化が進み、店頭からホットケーキミックスが消えた。ならば、ミックス粉を使わず、イチから作ろうという需要が高まった。結果、3ブランドのベーキングパウダーが10傑にランクインするという前代未聞のランキングとなった。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン