4月に小学校に入学した生徒たちが休校で学校に通えない状況が続くなか、小池百合子・都知事らは「9月入学」へのスライドを提唱している。ただ、その場合、大混乱は避けられない。
「来年以降の5年間は『1学年の人数を増やす』という施策が必要になってくる」──そう話すのは、名古屋大学大学院発達科学研究科准教授で教育評論家の内田良氏だ。
なぜそうしなければならないのか。内田氏が続ける。
「学校は9月から始まるにもかかわらず、『新一年生になるのは4月1日時点で満6歳の子供』というように、5か月のギャップが生じてしまうからです。
これを解消するために、年齢の基準も『9月1日時点で満6歳』と揃える必要があります。今年はもう間に合いませんから、来年から揃えるとすると、『2021年4月1日時点で満6歳』の子供たちに加えて、2021年4月2日~9月1日までの5か月間に6歳になった子供も追加で入学することになってしまい、学校がパンクしてしまうのです」
そうなると事態は深刻だ。教育ジャーナリストの木村誠氏がこう話す。
「教育現場では、とくに大変なのが小学1年生です。幼稚園で英語まで勉強してきている子もいる一方で、大半は先生の話を真面目におとなしく聞くという学習態度もできていない子たち。その様々な1年生が増えた時の現場の混乱は、想像を絶するものがあります」