金本は在籍9年間で4度の3割、1度の打点王、下柳は在籍8年で5度の2ケタ勝利、1度の最多勝に輝き、2003年と2005年と2度の優勝に主力としてチームを引っ張った。
「下柳はトレード相手の3人よりもNPBで現役を長く続けた。1980年代や1990年代、阪神に移籍してきたベテランは活躍しても1年程度で、3年程度で引退や自由契約になる選手がほとんどでした。単に年齢だけでなく、本当に数年働けるかを見極める力、情報収集力が暗黒時代の現場、フロントにはなかった」
これ以降、阪神は若手を出してベテランを獲るという場当たり的な交換トレードはしなくなった。目先の勝利を求めるだけの補強戦略にピリオドを打った星野監督は、文字通り阪神を変えていた。