記者がスマホを封印して人気カフェへ。道のりを描いてみると…
日本自動車連盟(JAF)のアンケート調査によれば、日本人の5人に2人が「方向音痴」ということが判明。なかには、カーナビやスマホの地図アプリがあっても目的地にたどり着けないというツワモノも…。しかし、お手軽な“脳トレ”と“Googleマップ遣い”をマスターすれば、方向音痴を解消できるという。
方向音痴の人が「地図が読めない」理由は、地図に描かれた2次元の世界(平面の世界)と自分のいる3次元の世界(立体的な世界)にギャップがあるからでもある。
『ミッツカール 方向感覚がよくなるレッスン』を主宰し、著書に『地図をグルグル回しても全然わからない人の 方向オンチ矯正読本』(秀和システム)がある北村壮一郎さんはこう話す。
「自分をレゴブロックの小さな人形やゲームのキャラクターに見立てて、地図の上に立っていることをイメージしてみてください。ピンとこない人は、スマホの地図を航空写真や3D(3次元、立体)表示にすることで、地図と現実のギャップを埋めることに役立ちます」(北村さん・以下同)
ただ、それもスマホがあってこそ。地図を読むことが苦痛な方向音痴の人にとって、根本解決には程遠い。
「脳科学的には、実際に脳のどんな働きによって人が道に迷うのかはまだ解明されていません。ですが、知らない道がないといわれる英・ロンドンのタクシー運転手の脳をCTスキャンで撮影したところ、空間認識能力や記憶を司る “海馬”が通常より大きかったというデータがあります。
ぼくは、もともと海馬が大きかった人が運転手になったというより、毎日の運転で海馬が鍛えられたとみています。なので、この海馬を鍛えることで、方向感覚も鍛えられると考えました。方向音痴の本当の根本解決は、この海馬の鍛え方にあるといっていいでしょう」
◆街を歩いてマップを作るだけで脳トレに
「方向音痴の人は、曲がるときに迷ったり間違ったりすることが多いので、曲がり角で迷わないための目印を見つけることが大切なんです。私はそれを、船が漂流しないようにおろす錨になぞらえて、“アンカー”と呼んでいます」