新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう3月20日、今年も国連による「世界幸福度ランキング」が発表された。これは各国の国民が「どのぐらいいま(の生活)に満足しているか」を調査したもの。今回はフィンランドが3年連続で1位を獲得、日本は153か国中、62位という結果となった。
2012年から開始されたこのランキングを見守り続ける女性がいる。堂原有美さん(39才)だ。
「まだ上京してきたばかりなんで…」と、はにかみながら話す堂原さんの言葉には、時々、地元・愛知県のイントネーションが混ざる。小柄で、笑顔がまぶしく、ほっこりとするようなかわいらしい雰囲気だ。現在はフリーでイベントの企画や広報を手掛けている彼女が、なぜ「世界の幸福度」に興味を持つようになったのか──。
◆大学生記者・地元ラジオのレポーター後、大手広告代理店へ
堂原さんは1980年生まれ。銀杏の特産地で有名な愛知県稲沢市(旧祖父江町)出身だ。スポーツ少女だった中学・高校時代を経て、三重大学人文学部に進学した。
「当時から“何か人をびっくりさせるようなことがしたい”“面白がらせたい”って考えてたんですね。当時、興味を持っていたのが、自分が暮らす地域のことと、何かを“発信する”ということ。地元のNPOに参加して、FM三重でレポーターをしたり、中日新聞に出入りして大学生記者として記事をまとめたりしていました。海外に行ってみたくって『ESS(英語研究会)』に入り、オーストラリアに1か月の短期留学をしました。
初めての海外体験でしたが、その合間にバックパックを背負って、アメリカなど7か国を回りました。就職は当初、マスコミを考えていましたが、事実ありきの『報道』よりも、何かを作り出すことができる広告の世界が自分に合っているような気がして、広告代理店を受けたんです」(堂原さん・以下同)
大学時代のアクティブな活動と「地域愛」が評価され、2003年、堂原さんは地元・名古屋の大手広告代理店・三晃社に入社する。
◆「武将隊」が大ブレーク ジョージ・ルーカスに「巻物」で「嘆願書」
「入社当初はCMや広告の制作をしていたんですが、営業部へ異動となりました。営業はお金をつくること。お金に関することって、いままで考えたこともなかったので、毎日「私は何をしているんだろう」と自問自答し、面白いとは思えない日々でした」