なかなか終息のめどが立たない、新型コロナウイルスの感染拡大。政府は緊急事態宣言を5月31日まで延長した一方で、商業施設の営業自粛要請は段階的に解除されていくものと見られている。
このまま事態が終息に向かっていった場合、以前のようにレジャーを楽しむことはできるのだろうか。たとえば、夏休みの旅行について、「今年の海外旅行は絶望的です」と指摘するのは、航空ジャーナリストの坪田敦史さん。
「日本の感染が収まっても海外は不安な状況が続き、海外旅行ができるようになるのは来年以降でしょう。
ビジネス面でも海外に出張できなくてもオンライン会議で乗り切れることがわかり、物流ルートも滞らなかったので、国際線の需要はなかなか戻らないと予想されます。わずかなビジネスの行き来を除くと、今後も日本の“鎖国”が続くはずです」
注目されるのは国内旅行だ。すでに韓国や中国、マレーシアでは国内線が活発に稼働しているという。韓国在住のジャーナリスト・藤原修平さんが言う。
「韓国は日本のゴールデンウイーク期間に国内旅行が盛んで、済州島など有名観光地の宿泊施設が軒並み満室になりました。ただし専門家からは、『人の移動が増えたため感染の第2波が心配だ』との声もあがっています」
日本も緊急事態宣言終了後には、現在減らしている国内便の本数が大きく回復すると予想される。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんが注視するのは、国の「Go To キャンペーン」だ。
「新型コロナの収束後に観光やイベントなどを支援する経済対策で、1兆7000億円もの予算が投じられます。旅行では交通費や宿泊代などが通常よりかなり安くなり、その分を国が補填します。このキャンペーンの開始時期が『旅行に行ってもいいですよ』という国のGOサイン。このまま収束に向かえば7~8月にはキャンペーンが始動し、今夏は国内旅行ブームになりそうです」