中国で発生したとみられる新型コロナウイルスは世界中で感染拡大しているものの、2003年から2004年にかけて中国を中心に猛威を振るったSARS(重症急性呼吸器症候群)同様、夏にかけて突然姿を消すと考える専門家は少なくない。だが、中国の科学界の最高権威である中国工程学院所属の学者で、天津中国医学大学の張伯礼学長は「新型コロナウイルスは今年の秋から冬にかけて、再び大流行する可能性が高い」との予測を明らかにした。
これは、米食品医薬品局(FDA)のスティーブン・ハーン局長や、米疾病予防管理センター(CDC)局長ら米国の専門家も同意見だという。香港紙『リンゴ日報』が報じた。
張氏によると、北半球では今年6月ごろには気温が上昇するとともに、新型コロナウイルスはSARSのコロナウイルスのように突然姿を消し、患者数も激減することが予想される。とはいっても、これは決してウイルスが死滅したことを意味するものではない。
インドやインドネシアのように、赤道直下にあって、気温が40度以上に達する国でも、ウイルスは消えるわけではなく、活動が活発でなくなるだけで、人体に潜んでいている可能性が高い。このため、秋以降に気温が低くなると、ウイルスの活動が再び活発化して、猛威を振るうことが考えらえるという。
張氏は「その際、実は中東やアフリカ諸国でのパンデミック(感染爆発)が懸念される」と指摘している。