東証一部上場のレナウンが経営破綻したことで、アパレル企業が被るコロナショックが深刻度を増している。長きにわたるショッピングモールや百貨店の休業により、販売機会を失ったファッション業界。この先、第2、第3のレナウンが出てしまうのか──。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、レナウン倒産の深層と今後の業界展望をレポートする。
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ついに名門アパレルといわれたレナウンが経営破綻し民事再生法を申請しました。負債総額は138億円です。
新型コロナによるものと報道されていますが、レナウンは長期間経営が傾いていたことは広く知られており、コロナショックがダメを押した形にはなりましたが、直接の原因とはいえません。
レナウンは今回のコロナショックが起きる前、2019年12月期決算で79億円の営業赤字、67億円の当期赤字を計上するなど、すでに追い詰められていた様子が公表されていました。2019年2月期にも営業損失19億円、当期損失39億円を計上していましたから、レナウン自身が赤字体質だったことは間違いありません。
2019年12月期の赤字のうち、53億円は親会社である中国企業、山東如意科技集団のグループ会社である恒成国際発展有限公司への売掛金が回収できなかったことによるものです。2010年に中国企業、山東如意集団の子会社になって延命したレナウンですが、最後はその山東如意グループによって追い詰められたというのは皮肉なものです。
ちなみにどうして売掛金53億円が未回収となったかというと、レナウンと同様に山東如意集団も資金繰りが悪化して経営が傾いていたからです。親子ともども経営が悪化していたという最悪の事態となっていたわけです。