ビジネス

アパレル大不況 「第2、第3のレナウン」が出て不思議ない

東証一部上場企業初の「コロナ倒産」で大きく取り上げられたレナウン(時事通信フォト)

東証一部上場企業初の「コロナ倒産」で大きく取り上げられたレナウン(時事通信フォト)

 東証一部上場のレナウンが経営破綻したことで、アパレル企業が被るコロナショックが深刻度を増している。長きにわたるショッピングモールや百貨店の休業により、販売機会を失ったファッション業界。この先、第2、第3のレナウンが出てしまうのか──。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、レナウン倒産の深層と今後の業界展望をレポートする。

 * * *
 ついに名門アパレルといわれたレナウンが経営破綻し民事再生法を申請しました。負債総額は138億円です。

 新型コロナによるものと報道されていますが、レナウンは長期間経営が傾いていたことは広く知られており、コロナショックがダメを押した形にはなりましたが、直接の原因とはいえません。

 レナウンは今回のコロナショックが起きる前、2019年12月期決算で79億円の営業赤字、67億円の当期赤字を計上するなど、すでに追い詰められていた様子が公表されていました。2019年2月期にも営業損失19億円、当期損失39億円を計上していましたから、レナウン自身が赤字体質だったことは間違いありません。

 2019年12月期の赤字のうち、53億円は親会社である中国企業、山東如意科技集団のグループ会社である恒成国際発展有限公司への売掛金が回収できなかったことによるものです。2010年に中国企業、山東如意集団の子会社になって延命したレナウンですが、最後はその山東如意グループによって追い詰められたというのは皮肉なものです。

 ちなみにどうして売掛金53億円が未回収となったかというと、レナウンと同様に山東如意集団も資金繰りが悪化して経営が傾いていたからです。親子ともども経営が悪化していたという最悪の事態となっていたわけです。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン